営業マンから商品の提案をされるときに、リース契約をお勧めされたことはないでしょうか?
リースをすれば固定費で経費で落とせるからだとかキャンペーンだからリースの方が良いと話を聞くと思います。
リースって現金購入よりいいんじゃないの?どっちで購入しよう?
そう迷われると思います。
結論から言うとリースは販売する会社側にとってメリットがありますが、購入する側のメリットはほとんどありません。
もし、私が今までの経験でモノを購入するとすれば現金一択です!
では、なぜリース契約を結ばない方がいいのか販売事情を含め紹介していきます。
1.レンタル契約とリース契約の違い

まず私が営業マンとしてリースを提案している時に感じたのが、リース契約をレンタルだと勘違いしている人が多くいました。
またその勘違いのまま契約をしてしまい後悔したりリース恐怖症な人をたくさん見てきました。
ではリースって何なのかレンタルとの違いについて紹介していきます。
レンタル契約 | リース契約 | |
契約期間 | 数週間~数ヶ月など様々 | 6年や7年などほぼ決まっている |
途中解約した場合 | 違約金 | 残りの期間のリース料+違約金+引上げ費用 |
契約満期時 | 返却 | リース会社に返却(費用がかかる) |
簡単に比較するとこのような表になります。
皆さん月額使用料を払って必要がなくなったら返却すれば良い思って契約される人がほとんどです。
しかし、リースは契約満期前に契約を解除すると残りの期間の残金+違約金+返却費の一括返済か満期まで月額使用料をしはらわなければなりません。
この費用と契約期間の自由度がレンタル契約とリース契約の大きな違いです。
2.なぜリースはやめた方がいいのか?

まず、営業側からリースを販売するメリットを説明します。
- 販売単価をあげることができる
- 複数の商品をまとめ売りがしやすい
- 利益率を上げることができる
- リース満了時、再度商品を販売するチャンスが訪れる
リースにより、月額金額で提示することで現金だと数百万かかる商品も数万の出費のように見えるためお客さんが本来の金額をイメージしにくくし契約しやすくなる。
複数の商品をまとめて提案すると高額になる商品も上記と同じようにリースだと現実的な数字に見せることができる。
高額な契約であると、値引き交渉である程度の金額を下げることができるが、リースであれば月々のリース料を少し値引きすればいいだけなので利益率も維持がしやすい。
リース満了時に満了の説明ができる。(提案のチャンス)
リースで購入するということは、営業マンにとっての良い条件の契約となります。お客さんのメリットはほとんどありません。
経費で落とせるといっても、その分現金で値引き交渉すれば総支払額は半額以下になる場合もあります。
現金が無ければ、銀行で借りて契約する方が金利の点でも良いです。
3.リース契約時の営業マンの罠

営業マンはあなたに対して、あの手この手でうまい話があると言いリース契約を提案してきます。
ここからは、営業マンのテクニックとリース契約の闇を紹介します。
- 数字のマジック
- 複数社のリース会社の申し込みの闇
- リース契約値引きやサービスの闇
- リース満了時の闇
リース契約の闇1:数字のマジック
数字のマジックは営業マンが最も多用するテクニックでこれに騙されて契約するお客さんは後を絶ちません。
ではエアコンのリース契約を例に挙げて紹介します。
- エアコンのリース料は11,000円と仮定します。(設置台込み)
- 現在使用中のエアコンと比較すると月々8,000円差がでますよ。(使用中エアコン24時間稼働*120%ー最新エアコン条件がいい場合の電気代)
- 実質負担は3,000円
- 今契約してくれるなら 設置引上費用リース料換算5000円はこちらでもちます
- 実質 月々2,000円お得になりますよ
エアコンの例を挙げましたが、割引の理由や商材・金額はそれぞれ違いますが大体この流れになると思います。
ここからはそれぞれの、突っ込みポイントを説明していきます。
1の金額はほとんどの場合、少しの値引きと設置+引上げ費用+手数料+金利がモリモリ状態の金額に設定される場合がほとんどです。
2はグラフや比較表での提案がほとんどです。この比較表に対して突っ込んでくる人は今までいませんでした。この段階でそんなに違うんやなど直感的に余分に固定費を払っているようなイメージを植え付けます。実際は稼働条件が違うので比較表ほどの効果が出ることはありません。
3リース料とモリモリの電気代差額ですが、実質負担が3,000円になることはありません。皆さん数字しかみていないので気づきませんが、最新のエアコンのリース料はあっても使用に必要な電気代が含まれていません。電気代も入れると一気に実質負担額が大きくなります。ここはまず比較する金額が間違っているのです。
4最後のクロージングに使われる方法ですが、この引上げ費用も下見をする前に提案書が出来ている時点でまずおかしいです。設置引上げ費用なんてものは業者の仕入れ額に対してどれほど利益を乗せるかは営業マン次第です。値引き数字の見栄えをよくするために高額な金額を使用しお得感を出します。ここで気づかなければいけないのは1の段階で費用は含まれているのです、お客さんが払うのは変わらないのにリースの内訳がわからないことをいいことに、こんなアウトなことを平気で提案してきます。
5実質負担の2,000円ほど信じられない金額はありません。皆さんこの結果の実質負担の金額に騙されて契約します。
しかし、上記で説明したように様々な数字のマジックを使いあなたに高粗利がでるリース契約を提案してきます。
リース契約の闇2:複数社のリース会社の申し込みの闇
リース契約をしようとした時、営業マンから複数社リース申込書を書いてほしいと提案されたかもしれません。
頼み方は、リース会社に競合させて一番良い条件のリース会社を使うためだとまるであなたの為かのように言います。
しかし、複数社でもらう理由はあなたの為ではありません!
営業マン自身のためです。
複数社あれば、もしリースの審査が1社通らなくても別のリース会社なら通る場合もありお客様に申し込み用紙を書いてもらう時間の手間が省けます。
複数社競合させて良い条件を出させ料率交渉を行うことで、料率を下げ契約の利益率をあげることができます。
ここで、お客様の為の交渉ではなく自分たちの利益率アップの為の交渉です。最終的にはモリモリの契約金額から少し金額を下げお客様に提示し、あたかもリース会社と交渉した結果金額が下がったかのように報告しお客様の信頼を得ます。
ここまで見てるとお客さんにとってのデメリットないんやったら別に営業マンの内情なんてしゃーないんちゃう?って思う人もいると思いますが
残念ながらそんなあなたに対してデメリットは存在します。
- 信用情報が低下する
- 営業マンがリース契約書を保管し情報漏洩のリスクがある
1.短期間に複数の会社にて審査を行うという事は、少なからず信用情報が下がってしまいます。この評価は普段では気にする必要がないですが、今までにカードの支払いが遅れている情報がある+短期間に複数社で審査を行っていると信用度の評価によってはローンの審査に落ちてしまったりカードの審査が落ちやすくなってしまうリスクがあります。
2.営業マンがしっかり使わなかったリース契約書は、しっかりと複写が映るように×を書き使えなくしお客様に返却するかシュレッダーにするかが基本ですがコンプライアンスがしっかりしていない会社では違います。
お客様自体リース契約書の返却に関して無頓着の人が余りにも多いです。特に個人事業主の人はこの傾向にあります。この特性を利用し悪い営業マンはリース契約書を保存しておき次の契約の際に先に審査をかけてリースが契約ができるかチェックするのに使われたり、中には勝手に契約をしクビになっている人がいました。
営業マンを信じてはいけません、保管の方法も机に適当にしまっていたり、ごみ箱にそのまま捨てていたりと個人情報の管理が不足している会社も実際あるのです。
こういったリスクを回避するためには、
- リースの審査の申し込みは面倒でも1社のみ
- 使わなかった申込書や控えは必ず返してもらう
- リース契約書の支払い欄の記入や銀行印の部分は押さない
上記で説明した方法を注意していればほとんどのリスクを回避することができます。
皆さん知らないと思いますが、リース申込書の支払い欄は記入していなくても審査はかけられます、大切なのは個人の住所や法人情報なので契約が決まるまでは支払い欄は空欄にしておけば本契約を勝手にされたりしません。
リース契約の闇3:リース契約の値引きやサービスの闇

なぜ営業マンはリースを勧めてくるのでしょうか?
それは、内訳や総支払額を上手く誤魔化せることができるからです。
現金で100万円の商品を購入と考えると購入しようか考えますが、月々2万円の6年リースとなるとなぜか圧迫感は少なくなります。単純にリースの額を考えたとしても、140万ぐらいになりますが、100万円を現金よりなぜか負担は感じないようになりますよね?このように、購入者に簡単に購入できそうと思わせて思考を奪う事ができます。
また、内訳を詳細に表示させる必要もないので、暴利で利益マシマシでも通りやすくなります。これが、現金の場合だと、なぜこんなに高いんやと気づかれてしまいますが、そんな心配が無くなります。
よくリースでキャンペンとなっていますが、実際は現金購入より高い利益を載せたうえオプションも含めて金額を提示しています。まるで、リースをすればそのオプションがついてあるかのように書いてありますが、そのオプションも値引きも元々乗せた状態から金額を高く見せて元に戻しているだけなのです。
その仕組みを知らないお客の立場から考えると、まるでお得に買い物をできたと感じていますが、実際はフルセットのオプション付きでぼったくり価格で購入させられているだけなのです。
現金であれば、100万で自分のモノに、リースは140万払ってもリース会社のモノ支払いは続くと考えると、普通は現金で購入します。
また、リースは4~6年の契約が多いです。ここからが、リース契約の怖いところですが営業マンがリースが終わったら自分のモノになるや普通では無い対応をするなど言ってきて、その言葉を鵜呑みにして契約したが実際には自分のモノにならなかったという事はあります。あくまでも営業マンの出まかせです、例えそれが嘘だったとしても発覚するのが4~6年後。担当者がいなくなっていたりする場合もあります。そこから、会社に対してクレームを入れても何も変わりません。あくまでも当事者同士の言った、言わないの話になるだけで損をするのはお客さんだけです。なぜなら、そういった内容は契約書に書いてないのですから会社側が負ける事はほとんどありません。
このような事は、とても身近なところで実際に起こりえます。それほど、営業マンがノルマに追われている会社はお客にどれだけモノを売るかしか考えていない、売れれば法律を犯す事に抵抗のない人間も沢山います。
リースは、主にお客、販売店、リース会社の3点方式の契約となる為、検収後にキャンセルする事がとても難しい点もお客側のデメリットですね。
あとは、リース契約であればリース満了時に再度終了のご案内として提案するチャンスが生まれる点も営業マンにとってはメリットです。
このように、リースはキャンペンや特別値引きなど沢山謳っていますが、ほとんどの場合お客のメリットというより会社側の利益が多きと言えます。
リース契約の闇4:リース満了時の闇
リース満了時の選択は以下になります。
- リース会社に返却
- 再リース(低金額で同じ商品を使い続ける)
- 更新(新たに新商品をリース契約し交換)
- 買い取り
本来は、4つの選択肢がリースにはあるのですが、営業マンはまるで上記3つのみしかのようにしか話をしません。
買取するのが、一番お客にメリットがあり費用もかからないので、お客の選択肢に加えてしまうと買取か返却の2択になってしまい営業の機会を失ってしまいます。
なので上記3つしか説明をしません。
必要なく、返却したいと言うお客さんには返却を勧めます。返却費用は勿論取ります。
負担を減らしたいというお客さんは、低金額で同じ商品を使い続ける再リースを選択します。
しかし、再リースをすると次リースをする際に新規扱いになり、その時にリースが通らないかもしれない。金利が上がる傾向にあり未来にリースを組むと今より高いかも、今ならキャンペンで特別価格で組む機会を失うなどまるで、再リースが悪かのような説明を永遠とあの手この手でイメージをつけさせます。
更新の案内は、お客さんのメリットを説明したり、お金を気にしている人にはランニングコストの比較で更新を促します。
このランニングコストも、従来商品と対して金額が買わない場合は、条件を都合の良いように設定したり、金額ではなく%で表示しまるですごく省エネしたかのようにイメージをさせ更新につなげます。
私の会社は、コンプライアンスなんて無視だったのでお客さんが返却したり更新した場合の商品を引き取り、廃棄費用も貰いながら中古品という形で市場に流すという悪事っぷりでした。
仕入れは0むしろお客が払って商品を提供し、それを会社が販売するというメカニズムが完成していました。
まとめ
世の中には、沢山の商品がリースで購入することができます。
経費で落とせるメリットも実際にありますが、購入する際はしっかりと計算し現金との違いを営業マンに確認する。相見積もりをとる、銀行でのローンと比較する。
これを徹底するだけで、ボッタくり価格で購入してしまうリスクは減らすことができます。
中には、メンテナンスなど保険もセットになったリースもありますが、保険の金額だけで商品が購入できるほどに設定されている事もあるので、実際の商品の2倍の価格でリースを組まされるリスクがあるので、保険付きで購入するのは絶対に回避したいですね。
お金が本当になく、どうしても今必要ならリースでもいいかもしれませんが、お金が無いなら固定費を払い続けるリスクを念頭に置いて経営をしていってくださいね。