ブラック企業でもあきらめない。有給消化して退職するための完全ガイド

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ブラック企業でもあきらめない。有給消化して退職するための完全ガイド

ブラック企業でもあきらめない。有給消化して退職するための完全ガイド

「退職前の有給は全部使ってから辞めたいのに、『そんなの無理だ』と一蹴された」
「人手不足だから有給は認めないと言われて、結局1日も休めないまま辞めることになった」
こんな声は、ブラック企業で働いている人ほどよく耳にします。

ですが、本来年次有給休暇はあなたの権利であり、「退職前だから」という理由だけで一律に拒否されるものではありません。 法律の考え方と実務の感覚をおさえておくと、ブラック企業の“言い分”に振り回されずにすみます。

この記事では、

  • 退職前でも有給消化できるのか?という素朴な疑問
  • ブラック企業がよく言う「有給NG」のフレーズと、その裏側
  • トラブルを減らしつつ有給を消化する具体的なステップ
  • どうしても認めてもらえないときの相談先・たたかい方

を、できるだけやさしい言葉でまとめました。 「どうせ無理だろう」とあきらめてしまう前に、一度整理してみてください。

目次

退職前の有給消化はそもそも可能?基本ルールからおさらい

年次有給休暇は「会社のご厚意」ではなく権利

まず大前提として、年次有給休暇(いわゆる「有給」)は、法律で定められた労働者の権利です。 勤続年数と出勤率などの条件を満たしていれば、正社員だけでなく、パート・アルバイトでも一定の日数が付与されます。

そしてこの有給は、「会社が許してくれたら使える」恩恵ではなく、労働者が請求したら原則として会社は応じなければならないものとされています。

退職前でも「残っている分を使う」ことはできる

では、退職前に残っている有給をまとめて消化するのはどうでしょうか。 ここは誤解されやすいポイントですが、結論だけ言うと、

  • 退職前に残りの有給を消化すること自体は、法的に認められている
  • たとえ20日、30日と多く残っていても、原則としてまとめて取ることは可能

という理解で問題ありません。 もちろん、現場の引き継ぎなど現実的な調整は必要ですが、「退職前だから有給はゼロ」と決めつけられるわけではない、というのがポイントです。

「時季変更権」と退職前有給の微妙な関係

会社には、「この日は休まれると事業に支障が出るから、別の日にしてほしい」と有給の日程変更を求める権利(時季変更権)があります。 ただし、この権利はあくまで「別の日に有給を取ってもらう」前提で認められているため、退職前で有給を取れる日数が限られている場合には、事実上行使が難しいとされています。

「退職するのに、別の日に振り替えろと言われても、その“別の日”が存在しない」からですね。 そのため、退職間際の有給申請を一律に「時季変更権」を理由に断るのは、本来の趣旨からズレた運用と言えます。

ここだけは押さえておきたいポイント
・退職前だからといって、有給消化の権利が消えるわけではない。
・「人手不足だから」「忙しいから」は、本来は会社側の事情であって、有給の権利を打ち消す理由にはならない。
・時季変更権は「別の日にずらす」仕組みなので、退職間際にはそもそも使いづらい。

ブラック企業が言いがちなNGフレーズと本音

ブラック企業ほど、退職前の有給消化に対してさまざまな理由を付けて拒もうとします。 ここでは、よく聞くフレーズと、その裏にある本音を少しだけ整理してみます。

「うちは退職前の有給は認めていない」

会社独自のローカルルールとしてこう言われることがありますが、法律より強い社内ルールは存在しません。 就業規則にそう書いてあっても、法的にはあくまで「労働者の権利」が優先されます。

「人が足りないから無理」「今は忙しいから我慢して」

一見もっともらしく聞こえますが、人員や業務量の調整は本来会社側の責任です。 それを理由に、「あなたの権利をあきらめてくれ」と言っている状態とも言えます。

「有給なんか取ったら評価が下がるぞ」

ストレートにこう言う会社もあれば、遠回しに「周りの目が良くないぞ」とプレッシャーをかけてくる会社もあります。 しかし、有給を取ったことを理由に評価を下げるのは、本来やってはいけない不利益取り扱いです。

「有給全部取るなんて、社会人としてどうなの?」

ネット上でも「有給フル消化は下品」などの声が話題になったことがありますが、冷静に考えると、会社の制度に沿って権利を使っているだけです。 社内文化として「美徳」とされてきた価値観と、法律上の権利は別の話。そこを混同させて、「取らない方が良い人」と思わせてくるのが、ブラック企業の常套手段でもあります。

トラブルを減らしながら有給を消化する3ステップ

ここからは、なるべく揉め事を増やさずに有給を消化するための具体的なステップを整理していきます。

ステップ1:退職希望日と有給残日数を先に整理する

まずは、自分の中で

  • 退職したい目安の日付
  • 現時点での有給残日数
  • 引き継ぎに必要そうな期間(ざっくりでOK)

を整理しておきましょう。 例えば、有給が20日残っていて、引き継ぎに2週間はかけたい場合、

  • 退職希望日の1か月半〜2か月前には上司に相談
  • 最後の1か月はほぼ有給消化にあてる

といった大まかなイメージを持っておけます。

ステップ2:口頭で「退職+有給消化」のイメージを伝える

いきなり「来月から全部有給で」と言い出すと、さすがに現場も構えてしまいます。 できれば、

  • 退職したい理由(ざっくりでOK)
  • 退職時期の希望
  • 「残っている有給はできるだけ消化したい」と考えていること

をセットで伝えておくと、その後の話がスムーズです。 ブラック企業の場合は、あまり具体的な不満を語りすぎず、「一身上の都合」+有給消化の希望にとどめておく方が、変な説得を食らいにくくなります。

ステップ3:有給申請は「記録が残る形」で行う

口頭で伝えたあと、実際の有給申請は、

  • 社内の申請システム
  • メールやチャット
  • 紙の申請書

など、会社のルールに合わせて行います。 このとき重要なのは、「いつ・どの期間の有給を申請したか」が後から分かる形で残しておくことです。

特にブラック企業だと、「そんな申請は聞いてない」「却下したはずだ」などと後出しされることがあるので、自分の手元にも控えを残しておきましょう。

「有給は認めない」と拒否されたときの対処法

ここまで丁寧に進めても、「前例がない」「人手が足りないから」の一点張りで有給を拒否されることもあります。 そんなときに、感情的にならずにできることをいくつか挙げてみます。

1. 理由をあえて「記録」に残してもらう

口頭で「ダメ」と言われたときこそ、落ち着いて、

  • 「なぜ認められないのか、理由をメールでいただけますか?」
  • 「有給申請を却下されたということでよろしいでしょうか」

と確認してみるのも一つの手です。 ブラック企業ほど、記録に残ることは嫌います。そこで態度が変わるケースもありますし、後で外部に相談する際の材料にもなります。

2. 人事・労務担当やさらに上の上司に相談

直属の上司が話にならないときは、人事部やその上の管理職に相談してみましょう。 意外と、現場だけがブラックで、人事側はまともという会社もあります。

3. 労働相談窓口や弁護士への相談も視野に

どうしても社内で話が通らない場合は、

  • 労働局の総合労働相談コーナー
  • 労働基準監督署
  • 労働問題に強い弁護士

といった外部の窓口に相談してしまって構いません。 「有給は権利」という前提から見ても、退職前だからといって一律にゼロ扱いにするのは、かなり無理のある対応です。

有給の買い取りはアリ?ナシ?退職時の考え方

よくあるのが、「有給は使えないけど、代わりに買い取るから」と言われるケースです。 有給の買い取りについては、

  • 法律上は「原則NG」だが
  • 退職時に未消化分を買い取ること自体は、実務上よく行われている

という少しややこしい扱いになっています。

どちらが良いかはケースバイケースですが、

  • 心身が限界で、とにかく休まないと危ない → できるだけ有給を使う選択を優先
  • 次の仕事が決まっていて、今さら休んでもあまり意味がない → 買い取りも選択肢

といった考え方もあります。 ブラック企業の場合、「買い取り」と言いつつ十分な額が払われないケースもあるので、その点も含めて冷静に判断したいところです。

やりがちなNG行動と、心を守るためのコツ

突然バックレて、何も伝えない

「どうせ有給も認めてくれないし、もう黙って行かない」という気持ちになるのは、正直よく分かります。 ただ、完全バックレだと、退職日や社会保険、源泉徴収票などの手続きがグダグダになりやすいというデメリットもあります。

どうしても出社が無理な場合でも、

  • メールや書面で退職の意思と有給の希望を伝える
  • 退職届を郵送する(内容証明だとなお良い)

といった「最低限の手続き」だけは取っておいた方が、その後の人生が楽です。

「自分が我慢すれば丸く収まる」と全部あきらめる

真面目な人ほど、「有給を取ると周りに迷惑」「自分だけ楽をするみたいで申し訳ない」と思ってしまいがちです。 でも、有給はそもそも「取る前提」で設計されている制度です。 あなたが少し休んだからといって、会社が本当に回らなくなるなら、それは会社側の体制に問題があるだけです。

一人で抱え込む

ブラック企業の怖いところは、「感覚を麻痺させられる」ことです。 周りの人も有給を取らずに働き続けていると、「これが普通なんだ」と錯覚してしまいます。

そんなときこそ、

  • 家族や友人に話してみる
  • SNSやネットで他の人の体験談を読んでみる
  • 労働相談窓口に一度電話してみる

といった、外の空気に触れる行動が大事です。「自分がおかしいわけではない」と分かるだけでも、心がだいぶラクになります。

まとめ|「どうせ無理」ではなく、「どう通すか」を考える

ブラック企業で働いていると、「有給なんて取れないのが当たり前」「退職前に休むなんてわがままだ」と思い込まされがちです。 でも、本来は、

  • 年次有給休暇は、法律で認められたあなたの権利
  • 退職前だからといって、その権利が消えるわけではない
  • 会社の人手不足や都合だけで、権利をゼロにされる筋合いはない

という、シンプルな話です。

もちろん、現場との関係や次の仕事のスケジュールなど、現実的な事情もあります。 だからこそ、

  • 退職希望日と有給残日数を早めに整理する
  • できる限り早めに「退職+有給消化」を伝える
  • 申請ややり取りは「記録が残る形」で行う
  • どうしてもダメなら、外部の力も借りる

といった戦略を持って動くことが大切です。

「どうせ無理だろう」と何も言わなければ、本当に何も変わりません。 一方で、「言葉」と「紙(メール)」という形にして一歩を踏み出せば、少しずつ状況が動き始めます。

この記事の内容が、あなたがブラック企業から離れるときに、1日でも多く、自分のための有給を取り戻すきっかけになればうれしいです。

もし今、「もう限界だけど有給も退職も言い出せない」と感じているなら。
まずは、有給残日数を確認して、カレンダーに「ここから有給消化したい」という期間を書き込んでみてください。
その小さな一歩が、ブラック企業から抜け出す具体的な行動のスタートになります。