退職が決まると、次に迷うのが「退職日をいつにするか」。月末に揃えたほうがいいって聞くけど、今の職場がしんどくて月中でも早く辞めたい…そんな揺れ、めちゃくちゃ普通です。
結論から言うと、「退職日 いつがいい 月末 月中」は、気合いで決める話じゃなくて、社会保険・給与の締め・有給残日数・次の入社日を材料にして“損しにくい形”へ寄せるのが現実的。この記事では、よくある誤解をほどきつつ、ケース別に「どこを優先して決めるか」を具体的に整理します。
月末退職が多いのはなぜ?
「退職は月末がいい」と言われがちなのは、理由がちゃんとあります。月末に寄せると、会社側の処理もあなた側の手続きも、区切りがついてラクになりやすいからです。
- 社会保険の区切り(月単位で考える場面が多く、調整しやすい)
- 給与計算・勤怠締めの処理がスムーズ(会社の事務負担が少ない)
- 次の会社の入社日(1日入社)と相性が良い
- 有給消化を「月内でまとめて」組みやすい
ただし「月末が絶対正解」ではありません。月末に合わせるために、無理な残業や嫌がらせに耐えて体調を崩したら本末転倒。月末のメリットを理解した上で、あなたの優先順位で選びます。
月中退職が向く人・危ない人
月中退職は「損」と決めつけられがちですが、実際はそう単純じゃありません。向く人には向きます。逆に、向いてない人が月中にすると“手続きが面倒”になってストレスが増えることもあります。
- パワハラ・いじめ・過重労働でメンタルが限界に近い
- 退職を伝えた後、仕事を増やされるなど嫌がらせが始まった
- 通勤や業務に支障が出ており、これ以上の継続が危ない
- 次の入社日が月途中で確定していて、調整しようがない
- 退職後に空白期間があり、健康保険や年金の手続きを自分でやる必要がある
- 給与締め日と退職日が噛み合わず、最終給与の精算が読みにくい
- 有給をまとめて消化したいのに、逆算が甘くて日数が足りなくなる
要するに、月中は「悪」ではなく、手続きの面倒と離れるメリットを天秤にかけて決める感じです。体調が崩れているなら、面倒より安全が勝つことも多いです。
退職日の決め方チェックリスト
ここからが本題。退職日を決める時は、次の4つを先に固めると迷いが減ります。
- 次の会社の入社日(決まっている/交渉できる/まだ未定)
- 有給残日数(全消化したい/一部でOK/消化にこだわらない)
- 給与の締め日・支払日(月末締め/15日締めなど)
- 体調とリスク(今の職場に居続けることで悪化しそうか)
この4点が決まると、「月末に寄せるべきか」「月中でもいいか」「むしろ月中の方が安全か」が自然に見えてきます。
例えば「手取りを最大化」なのか「体調の回復」なのか「入社日を守る」なのか。全部を100点にしようとすると決められません。最優先が1つ決まると、退職日はスパッと決まります。
給与・締め日・最終給与の落とし穴
退職日を決める時に意外と見落としがちなのが、給与の締め日と支払日です。月末退職にしても、給与締めが月末じゃない会社もあります。
「締め日」と「退職日」がズレると何が起きる?
締め日が15日で、退職日が月末だった場合、最後の半月分は「次の支払日」に精算されます。これ自体は普通ですが、残業代・欠勤控除・有給の扱いなどが絡むと、最終給与が想定とズレやすいです。
- 締め日以降の残業代が翌月に回る(あるいは退職後に振込)
- 社会保険料の控除タイミングが会社によって違う
- 有給消化期間の扱い(出勤扱いか、欠勤扱いにされてないか)
- 立替精算(交通費・経費)が退職後になって遅れる
ブラック寄りの職場だと「最終給与を曖昧にしてゴリ押す」こともあります。だからこそ、退職日を決める段階で、給与締め日・支払日・有給残は把握しておくと安心です。
「最終給与どうなる?」を口頭だけで聞くと、都合よく忘れられがち。可能ならメールやチャットで「締め日と支払日」「有給消化中の扱い」を確認し、記録に残すのが安全です。
社会保険(健康保険・厚生年金)の考え方
退職日を月末に寄せると良いと言われる最大の理由が、社会保険(健康保険・厚生年金)周りです。ただ、ここもケースで変わります。
まず押さえるべきは「退職後の保険の行き先」
退職後の健康保険は、ざっくり次の3ルートのどれかになります。
- 転職先で加入(入社後すぐ。空白期間が短い人向け)
- 国民健康保険に切り替え(空白期間がある人が選びやすい)
- 任意継続(今の健康保険を一定条件で続ける)
次の会社にすぐ入社するなら、退職日と入社日を近づけた方が“空白”が減ってラク。空白が出るなら、国保・任意継続の手続きが必要になります。
空白があるかどうかで、手続きの量も、気持ちの負担も大きく変わります。「空白を作らない(翌月1日入社など)」を狙えるなら、月末退職がやりやすいのは確かです。
「月末退職+翌月1日入社」が王道になりやすい理由
転職先が「入社日は基本1日」という会社だと、月末退職が噛み合います。退職日を月末、入社日を翌月1日に揃えると、保険の切り替えも最小限で済みやすい。
- 空白がほぼない(手続きのストレスが減る)
- 「保険に入ってない期間」を作りにくい
- 入社日が分かりやすく、会社側も処理しやすい
ただ、王道が正義とは限りません。月末まで耐えるのが危ないなら、月中退職で一旦回復し、入社日を後ろにずらした方が結果的に良いこともあります。
有給消化を織り込んだ逆算手順
退職日を決めるとき、有給消化を入れずに話を進めると後で詰みます。ここは「逆算」がすべて。
有給消化中も在籍扱い。だから「最後に出勤する日(最終出勤日)」と「退職日」は別物です。ここがズレると、引き継ぎ計画も、保険の切り替えも狂います。
逆算の手順(テンプレ)
- 有給残日数を確定する(例:12日)
- 最終出勤日を決める(例:月の18日)
- 最終出勤日の翌日から有給を当てる(例:19日〜月末)
- 退職日を「有給が終わる日」に合わせる(例:月末)
- 引き継ぎに必要な日数を最終出勤日までに確保する
ここまで決めてから上司に話すと、引き止めや嫌がらせがあっても「退職日・最終出勤日・有給消化」が一本の線になり、崩されにくいです。
ブラック気味の職場ほど、直前で「やっぱ無理」と言ってきます。申請はシステム・メールなど記録が残る形で。拒否された場合も、やり取りが残っているほど交渉材料になります。
次の会社の入社日と合わせるコツ
転職が絡むと、退職日だけでなく入社日も重要になります。ここは「遠慮して言わない」より「最初に事情を伝える」方が通りやすいです。
入社日は意外と交渉できる
もちろん業界や職種、採用事情によりますが、入社日は「1日固定」ではない会社もあります。特に、在籍中の人を採用する前提の会社は、調整に慣れています。
- 「現職の引き継ぎと有給消化を踏まえると、〇月〇日が現実的です」
- 「早める努力はしますが、無理な前倒しは難しいです」
- 「健康面の事情で、〇週間ほど準備期間が必要です」
ケース別:退職日と入社日の組み合わせ
ここではよくある3パターンを例に、考え方を具体化します。
- 退職日:月末
- 入社日:翌月1日
- 組み方:最終出勤日を早め、有給を月末まで詰める
- 向く人:生活費の余裕が少ない/転職先が固い/早く環境を変えたい
- 退職日:月末 or 月中(体調次第)
- 入社日:翌月中旬〜下旬
- 組み方:有給消化で在籍を伸ばしつつ、間に休みを作る
- 向く人:メンタルが削れている/次の職場で失敗したくない
- 退職日:入社日前日 or それ以前(空白の有無で調整)
- 入社日:月中固定
- 組み方:退職日を月中にしても、最終給与・保険の空白を想定して準備
- 向く人:プロジェクト都合/急募ポジション/入社日が動かない
「絶対これが正解」ではなく、あなたの優先順位で設計するのがコツです。
ブラック企業で揉めにくい進め方
職場がまともなら、退職日は話し合いで決められます。問題はブラック気味の職場。引き止め、嫌がらせ、有給拒否、退職届の受け取り拒否など、退職日を“ずらされる”ことがあります。
- 退職日は口頭だけでなく、退職届で明確にする
- 引き継ぎは「やります」と言うが、範囲と期限は文章に落とす
- 有給は申請を記録に残す(拒否の証拠にもなる)
- 脅し(損害賠償・懲戒)には即答せず、文書で根拠を求める
退職日を守るための“会話の型”
ブラック上司は「理由」を食べてきます。だから話す内容を絞ります。
- 退職日(いつまで在籍するか)
- 最終出勤日(いつまで出社するか)
- 引き継ぎ(何を、いつまでに)
退職理由を長々と説明すると、説得や反論の材料になります。退職日を決めたいなら、話題を日付と手続きに戻すのがいちばん強いです。
例文(入社日交渉・退職日相談)
ここは実務で使える形にしておきます。状況に合わせて数字だけ変えてください。
転職先に入社日を相談(角を立てずに)
現職の上司に退職日を伝える(結論→日付→引き継ぎ)
引き止めで退職日を伸ばされそうな時
よくある質問(Q&A)
Q1. 月末退職にしたいのに「繁忙期だから無理」と言われた
繁忙期が続く職場は、いつまで経っても「無理」です。現実的には、退職日を固定し、引き継ぎの範囲を調整して対応します。退職日を動かすより、「何をどこまで引き継ぐか」を交渉した方が前に進みます。
Q2. 月中退職にするとお金で損しやすい?
ケース次第です。締め日・支払日の関係、保険の切り替え、空白期間の有無で変わります。損得だけで決めると、体調や安全面のコストを見落としがち。お金の損が小さくても、回復できるなら月中退職が得という場面もあります。
Q3. 有給を全部消化したい。退職日はどう決める?
有給残日数を確定し、最終出勤日から逆算して退職日を決めます。「退職日=有給が終わる日」にするとズレにくいです。拒否されそうなら、申請を記録に残すことが重要です。
Q4. 次の会社が「入社日は1日」と言って動かない
その場合は、退職日を月末に寄せるのが合わせやすいです。月末退職が難しいなら、退職日を月中にして空白を作り、入社日までの手続きを見越して準備します(保険・年金・住民税など)。
Q5. 退職日を決めたら、何から着手すべき?
順番としては、①退職日・最終出勤日を固める→②退職届の準備→③引き継ぎ計画→④有給申請、が安定です。揉めやすい職場ほど、口頭より書面・記録に寄せるのが安全です。
まとめ:退職日は「手続き」と「安全」を軸に決める
退職日 いつがいい 月末 月中は、月末が無難になりやすいのは事実。でも、あなたの体調や職場の状況によっては、月中退職が最適解になることもあります。
- 安全(体調・ハラスメント)を最優先にする
- 次の入社日と空白期間の有無を確定する
- 有給残日数から最終出勤日を逆算する
- 給与の締め日・支払日を把握して想定ズレを減らす
- 揉める職場ほど、退職届・申請・会話ログで“手続き化”する