近年の就活生は、ネットで就職活動の情報も得る能力も高くなってきており、完全週休二日制と週休二日制に騙されなれくなってきました。
しかし、ブラック企業も人材確保に必死です。いかに人材を確保するのに今まで通用していた方法が通用しなくなったら、また別の方法で就活生を騙そうとします。
今回は、ブラック企業で働いていた私が、求人の例を基に嘘と実態を紹介します。
ブラック企業の嘘ばかりの求人票の例

ブラック企業ので働いてた時の会社の求人票を例にして実態を紹介します。
以下、例になります。
- 年間休日118日
- 月平均残業時間8時間
- 週休二日制
- 研修充実
- 有休消化率70%越え
- 給料22万(32時間のみなし残業、諸手当込み)
- ボーナス6ヵ月支給(2018年実績)
ここからは、一見ホワイトそうに見える求人内容を一つ一つ掘り下げて実態を紹介していきます。
ブラック企業求人票の嘘ばかりの実態1:年間休日118日
年間休日118日ということは、どれくらいだろうというと週2日と祝日のほとんどが休みだとイメージしてください。
なるほど、
めちゃくちゃホワイトやん有休入れたらワークライフバランス取れそうやなと思いますよね。
しかし、実態は違います。
会社としては、休みかもしれませんが、月間ノルマが達成するまでは休日も関係なしに上司からの連絡もあり飛込み営業を行う事になるので休日は実際は少なくなります。
また、上司以外にも客先から連絡があり緊急性があるものはフォローで客先に出向しておりました。もし、本社や事務所に客先から連絡があるとその担当エリアの管理不足という事になり上司からの詰めが始まります。
あくまでも会社としては、休日の為、年間休日は118日です。
しっかりと、休みを取りたい場合は圧倒的な売上を月初めにとり中旬には翌月の売上も立てておくことが必要になります。
ブラック企業求人票の嘘ばかりの実態2:月平均残業時間8時間

月出勤日が20日ぐらいと考えると1日30分ぐらいか!!
まぁ残業は嫌やけど30分ぐらいなら仕方ないかと思うかもしれません。
ここで、気をつけないといけないのが、みなし残業が32時間で計算されているという点です。
みなし残業が設定されている会社は、ほとんどの場合それ以上に残業があると考えてください。
会社としても、平均残業が8時間なら普通設定は8時間前後に設定するはずですが、32時間で設定されているという事は…矛盾がありますね。原則としては会社は余分なお金は出しません。
私自身、実際の前残業+あと残業を合わせると80時間の残業が平均でしたが、給料として払われるのは32時間分だけでした。
では、どうやって8時間という数字を作っているかというと、派遣社員やパート・事務など定時で業務が終わる人間も分母に入れたり、営業マンのタイムカードの設定を1日の残業が1時間で終えるように指示している場合もあります。
私の現場では、間接業務の社員・パート・派遣社員を母数に入れて計算した上、営業マンは全員、定時後1時間でタイムカードをきってから仕事に戻るという事が行われていました。
求人票のみなし残業時間と、平均残業時間が乖離している場合、現場が残業隠しの悪質な場合があるため要注意です。
ブラック企業求人票の嘘ばかりの実態3:週休二日制
まぁこれは定番ですね。
騙されやすいかもしれませんが、月に1度でも1週間に2日休日があれば週休二日制となります。
皆さんがイメージする1週間に2日休みがあるのは、完全週休二日制という事なので注意してください。
ブラック企業求人票の嘘ばかりの実態4:研修充実

研修充実!!研修充実とは言っていない!!ってことはあるあるだと思います。
研修内容が具体的でなかったり、PCで資格の講習が受けれる福利厚生があるというところは注意が必要です。
PCで資格の講習が受けれるという福利厚生は、私が勤めていた会社にもありましたが、どうやって受講すればよいのか?まず受講する時間がどうすれば取ればよいのかを知っている人間は誰もいませんでした。受講する時間があれば数字を作ってこいという状況でした。
新入社員で1週間研修はありました。
その説明を聞いた時はしっかり研修制度があるんだと思ったら実際は、
1日目、マナー研修
2日目、カタログを用いて商品の詳細の研修 約40種
3日目、機械の構造や仕組みの研修
4日目 総合のテスト正答率90%以上で合格 合格するまで帰宅できない。
5日目 ロープレ ひたすら罵倒とダメ出しの嵐
6日目 2人1組のペアとなり、飛込みエリアを設定され 案件が出るまで訪問
7日目 前日と同様飛込み営業 研修終了
1週間の詰込みの研修になります。マナー研修もひたすら声の大きさなどの注意でどちらかというとメンタルを削るのが目的のような内容でした。商品情報の研修や機械の構造・仕組みの研修は座学になりますが、ほとんど簡単な内容の説明を受けるだけでした。カタログに書いてあるような簡単な情報のみしか学ばなかった気がします。すぐに、テストを受ける事になるのですが、簡単に流すような座学の内容ではテストの範囲をしっかりと回答するのが難しく最初は絶対に罵倒を受けてメンタルが削られる仕様になっておりました。
総合テストの内容も、社訓や会社に関する内容も含まれており合格点に到達していない人間は、叱責された後順番に社訓を大声で読み上げ再度テストを受けるという形でした。
カタログに書いてある知識しかない状態での飛込み営業がスタートします。すべてのカタログと名刺を配り終えた上、案件が出るまで会社に戻ってくることができない仕組みでした。
案件が無い状態で戻ってきたペアが何組かいましたが、ひたすら罵倒を受け泣き出してしまう人もいました。
配属されればOJTという制度もあったそうなのですが、
先輩がつくことは、実際にはなく配属初日から契約書の書き方も知らないまま飛込み営業を行いそのまま、労働が続いて行くのでした。
私の場合、気がつけば5年がたっておりました。
研修とは?いったい?メンタルを破壊するのが研修なのかな?
ブラック企業求人票の嘘ばかりの実態5:有休消化率70%越え
有休消化率70%と聞くと、あれ?全部使えないものなの?と思うかもしれません。
大手企業のホワイトでも100%有休を消化できるか会社ってあまりないのではないでしょうか?私の周りでは聞いたことはありません。
日本の平均有休消化率は大体50%ぐらいだったかなと思います。だからこそ、この有休消化率70%越えを推しているのでしょうね。
ここまで、読んだ方なら察するかもしれませんが、休日サービス出勤させている会社が有休取れるのかよ!!と思いますよね。
その疑問は正解です
実態は、会社が有休の指示を出し、有休を申請し受理されます。勿論有休申請した日はサービス出勤になります。この日は、自分のアカウントでPCで作業を行うとログが残っていしまい監査の指摘入る可能性があるため、別の社員のアカウントでPCの作業を行いサービス労働をすることになりました。
結果、会社としては社員の有休消化率を数字上あげる事ができていました。
ブラック企業求人票の嘘ばかりの実態6:給料23万(32時間のみなし残業、諸手当込み)
続いて給与を見ていきましょう。
初任給で給料が20万を越えるとなかなか高い方ではないでしょうか?
このみなし残業諸手当込みというのが中々の曲者です。社会人の経験がないとそのまま23万の総支給だと思うかもしれません。しかし、実際の内訳としては、みなし残業が4万、定期代のMAX3万、地域手当1万、家族手当5,000円,営業手当5000円というようなこれでもかという手当がついて基本給は、14万円になります。
ここで気をつけないといういけない点が、定期代の支払いがMAX、地域手当のMAX、家族手当のMAX、営業手当のMAXという新入社員には関係ない手当や配属・成績が上位という全ての条件が合わさった時の給料が表示されています。
実際の総支給は、20万円前後になると思います。
まぁそれぐらいなら許容できると思う人も多いかもしれませんが、手当が多く基本給が少ないというのはボーナスに関わってくるので気をつけなければなりません。
ブラック企業求人票の嘘ばかりの実態7:ボーナス6ヵ月支給(2018年実績)

続いては、ボーナスで気をつけないといけない点を紹介いたします。
まず、ボーナスの支給額は基本給*○ヵ月であって総支給*○ヵ月ではないので気をつけてください。そう考えてもボーナス6ヵ月というのは、インパクトがありますよね。
しかし、よく見てください実績年が2018年と昔の実績になっていたりしていませんか?
私の会社の場合、この過去の実績の年に何があったかというと、会社自体の景気がすごく良く、また、一部の社員が凄い成績を出し、特別ボーナスも支給されたとのことでした。
その全ての良い条件が合わさった結果が基本給の6ヵ月分が支給されたという事でした。
なので、ボーナス6ヵ月支給と書いてあっても支給実績があるというだけで実際に貰えるとは限りません。私の場合、最初の一年は年でボーナスは3万で終わりました。
あれ?どう計算すれば6ヵ月分になるのだろうと疑問に思いました。勤続年数が5年になっても年間のボーナス支給額が合わせて20万ほどになるので、6ヵ月分には程遠い結果になりました。
このように、あくまでボーナスの支給実績という点では嘘を言っていないのが憎いですね。なので、ボーナス実績が過去のものをだしている求人票は気をつけてください。
まとめ
求人票はぱっと見良い条件が揃っている求人も沢山あります。
本当にその通りの条件のホワイト企業もあれば、人を確保したいブラック企業もホワイト企業に擬態をして就活生を待っています。
しかし、やはり擬態しているだけなので今回紹介したような怪しい点も見受けられます。それでも、やはり上手く擬態していると気づけません。
なので、求人票だけではなく、説明会、座談会、求人サイトなど大変かもしれませんが、しっかりと調べ就職活動を行いましょう。
結構、転職会議などのまとめなどの口コミを見てみると、ただ辞める為に悪く評価が書かれているかもしれませんが、ブラック企業の目安にも使いやすいのでオススメです。
ブラック企業に入ってしまわないように頑張って就職活動をしてください。