退職を伝えた途端、急に仕事が増える。新しい案件が振られる。面倒なタスクだけ押しつけられる。こういう話、残念ながら珍しくありません。
「退職を言ったら 仕事を増やされた」と感じた時に大事なのは、「自分が甘いから」と抱え込まないこと。ここで頑張りすぎると、退職日が守れなくなったり、有給消化が崩れたり、残業が増えてメンタルが壊れたりします。この記事では、嫌がらせか業務都合かの見分け、最初にやる記録、優先順位の切り返し、退職日を守る進め方を、実務で使える形に落とし込みます。
それは嫌がらせ?まず見分ける
「仕事を増やされた=嫌がらせ」と決めつけるのは早いこともあります。現場が混乱していて、単に判断が雑になっているだけのこともあるからです。ただ、ブラック気味の職場だと、退職を諦めさせるために意図的に増やすケースもあります。
- 退職を伝えた直後から、明らかにタスク量が跳ね上がった
- あなたにしか分からない仕事をわざと集めている
- 期限が不自然に短い・無理な納期を押し付けられる
- 「辞めるなら最後まで働け」など感情的な発言が増えた
- 有給を取りづらくする目的に見える動き(忙しく見せる等)がある
- 後任が決まらず、現場がパニックで投げてくる
- 上司が状況把握できておらず、とにかく回したい
- 「誰がやるか」が決まっていない仕事が雪崩れてくる
どっちにせよ、あなたが全部背負う必要はありません。ここから先は、嫌がらせでも混乱でも効く「動き方」に切り替えます。
最初にやるべきは「記録」と「可視化」
仕事を増やされたと感じた時点で、まずやるのは“戦う準備”じゃなくて“状況を整理する準備”です。ここができていると、上司に優先順位を決めさせやすくなり、後で揉めた時も強いです。
口頭で「これもお願い」と言われた仕事は、後から「言ってない」「期限はもっと早い」になりがち。あなたを守るためにも、タスクを文章に落とします。
- 増えた仕事を一覧化(タスク名/依頼者/期限/工数見込み)
- 既存業務と引き継ぎタスクも同じ表に入れる
- 「自分ができる上限(稼働時間)」も書く(週40hなど)
- 上司に優先順位を振ってもらう材料にする
一覧があるだけで、会話が「感情」から「運用」に変わります。ここが最大の狙いです。
仕事を増やされた時の基本戦略(結論)
基本戦略は3つだけ。これで大抵は切り抜けられます。
- ① 受ける前に優先順位を確認(自分で抱えない)
- ② 期限と範囲を縮める(“全部”をやらない)
- ③ 引き継ぎ資料を作り、退職日を守る(手続きで進める)
逆に、やってはいけないのは「全部やってから辞める」思考です。仕事は無限に増えます。終わりがないゲームを始めると、退職が遠のきます。
優先順位を上司に決めさせる方法
仕事が増えた時、あなたが一番損するのは「勝手に頑張って、勝手に壊れる」こと。なので、優先順位は上司に決めさせます。これが最強です。
上司が決める形にすると、なぜ強い?
- 「やらないといけない仕事」の責任が上司側に戻る
- 期限に間に合わない前提を共有できる(後から責められにくい)
- あなたが退職する前提の運用に切り替えやすい
- タスク一覧を見せる(メール添付でもOK)
- 「退職日までに全部は難しい」と先に言う
- 「AとBは完了、Cは手順書まで」など範囲を提示
- 上司に「優先順位」「担当変更」を決めてもらう
全部やれと言われたら、反論より「現実」を返すのが安全です。感情ではなく、工数と期限で返します。文章に残る形で「間に合わない可能性」を伝えておくと、後で責められにくいです。
引き継ぎと仕事増を両立する現実策
退職が絡むと、あなたのゴールは「会社を助ける」ではなく「退職日までに事故なく離脱する」になります。引き継ぎも、完璧を目指すと沼なので、最低限で回る形に落とします。
退職が近づくほど、口頭説明は忘れられます。資料が残れば、あなたがいなくても回ります。回る形にできれば「仕事増」の圧力も弱まります。
- 業務一覧:毎日/毎週/毎月のタスクと締切
- 手順書:画面キャプチャが難しければ「どこを操作するか」文章でOK
- 連絡先:社内外の窓口、ツールのログイン方法(権限管理は会社ルールに従う)
- 未完タスク:進捗、次の一手、関係者、期限
- トラブル集:よくある詰まりポイントと対処
「仕事を増やされた」と感じる時ほど、引き継ぎ資料は“あなたの盾”になります。引き継ぎが形になっていると、上司も「辞める前提」で運用を変えざるを得なくなります。
残業が増える/サービス残業の守り方
仕事が増えた結果、残業が増えるのは分かります。ただし、退職前に無理をして体調を壊すのが一番損です。特にサービス残業が常態化している職場なら、ここで歯止めをかけないと、最後の最後で潰れます。
ブラック企業では、退職者に仕事を押し付けて「最後に回収」する動きが出ます。残業の増加が不自然なら、必ず記録を残し、無理な要求は優先順位の確認に戻します。
最低限の記録(後で自分を守る)
- 出退勤時刻(実態)をメモ(スマホのメモでOK)
- 追加タスクの指示(日時・指示者・内容)
- 「間に合わない可能性」を伝えたメール/チャット
記録は「戦うため」だけじゃなく、「自分が悪者にされないため」にも効きます。
有給消化・退職日を守るための調整
仕事を増やされたとき、最大の被害は有給消化と退職日が崩れることです。ここは最初に守る設計にします。
退職日と最終出勤日が決まっていれば、追加タスクは「その日までにできる範囲」に収まります。決まっていないと、永遠に増やされます。
調整のコツ:やることを減らす方向で話す
増えた仕事を「どうやって全部やるか」ではなく、「何をやめるか」「誰に移すか」を話します。上司に選ばせるのがコツ。
- 追加案件は一次対応まで、詳細は後任へ
- 会議参加を減らし、引き継ぎ資料作成に集中
- 期限が遠いタスクは後任へ移管
- 自分しか知らない作業は「手順書化」して手離れを優先
圧力やハラスメントが出た時の対処
仕事増が「嫌がらせ」寄りだと、圧力が強くなります。「辞めるなら評価下げる」「引き継ぎできないなら損害賠償」みたいな脅しが出ることもあります。
- 「払う」「やります」と口約束しない
- 根拠や具体的な内容を文書で求める
- 会話をメール/チャットへ誘導して記録を残す
また、メンタルが削れている場合は、退職を進めること自体が難しくなります。体調が危ないなら、受診や休養も含めて安全を優先してください。退職代行を使って“連絡の窓口”を外部化する選択も現実的です。
使える例文(メール/口頭/チャット)
ここは「優先順位確認」「範囲縮小」「記録に残す」ための例文です。短く、淡々と、同じ型で繰り返せるものを置きます。
追加タスクを振られた直後(チャット/メール)
「全部やれ」と言われた時の現実返し
退職日・最終出勤日を前提にする(口頭)
嫌がらせっぽい圧が出た時
よくある質問(Q&A)
Q1. 断ったら評価を下げると言われた
評価は会社の裁量が大きい一方で、脅し文句として使われることもあります。ここで揉めるほど消耗するので、「優先順位確認」「期限と範囲の現実提示」「記録に残す」に戻すのが安全です。
Q2. 仕事が増えすぎて、有給消化が無理そう
有給消化は「引き継ぎ完了のご褒美」ではなく、スケジュールの一部です。最終出勤日を固定し、その日までに引き継ぎ資料を作る形に寄せると、消化が現実になります。
Q3. 後任がいないから辞めるなと言われる
後任不在は会社側の課題です。あなた一人で背負うと、いつまでも辞められません。退職日を固定し、引き継ぎ範囲を絞る方向で話します。
Q4. 退職直前に大きい案件を振られた
やり方は2つ。「受けない」のではなく、「範囲を縮める」か「引き継ぎ前提で初動だけやる」。この2択にすると角が立ちにくいです。文章で範囲を確認しておくと強いです。
Q5. もう限界で出社したくない
その状態なら、安全最優先です。受診や休養、相談先の確保も含めて検討してください。退職のやり取りが苦痛なら、退職代行で窓口を外に出すと一気に楽になるケースもあります。
まとめ:仕事増に飲まれないために、主導権を取り戻す
退職を言ったら 仕事を増やされたときに必要なのは、根性ではなく主導権です。タスクを可視化し、優先順位を上司に決めさせ、範囲を縮め、退職日と有給を守る。これが基本形。
- 増えた仕事を一覧化して、既存業務と同じ表に入れる
- 優先順位は上司に振らせる(自分で抱えない)
- 期限と範囲を縮めて“全部やらない”運用にする
- 引き継ぎは資料で残し、退職日を固定する
- 圧が強いなら記録と第三者で守りを固める