ブラック企業営業マンが語る!!実際にあったブラック企業の不正とその手口

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私の働いていた会社では、数字が命、数字が取れなければゴミ!!そのような空気感がありました。

やはり、人間追い詰められ過ぎると感覚がおかしくなるのか?普通では手を出さない不正に手を出していくようになる人間を何人も見てきました。

会社としても、バレなきゃ黙認、不正という文化が成り立っていたのです。

今回は、そんなコンプラ意識が底にまで落ちている会社で、実際に起こった不正を紹介いたします。

  1. 不正事例:お客さんの同意なしに商品のリース契約
  2. 不正事例:お客さんから廃棄処分費を貰った商品を中古として販売
  3. 不正事例:納品していない商品を勝手に検収
  4. 不正事例:協力業者に存在しない架空工事の発注
  5. 不正事例:ペーパーカンパニーを作って横領

1.不正事例:お客さんの同意なしに商品のリース契約

えっ!?契約なんて同意がなければ契約できないのでは?

そう思うかもしれませんが、それをやってのけた社員が複数人いました。

1、ローンの審査やリースの審査書類を書いてもらってキャンセルになった場合の事例

普通、その場で審査書類などはシュレッダーにかけて廃棄をするのですが、その審査書類を廃棄せずに契約書を埋めて契約を勝手に行っていました。この時に、審査の書類に支払い口座が記入されていたら勝手に契約してしまう事は可能です。ハンコなどは、100均やホームセンターで用意すればいいだけなので契約書を完成させることができます。

この時点で、公文書偽造になります。

この上、リース契約の商品をネットに販売していた社員もいました。

しかし、リースの契約は商品検収後、リース会社から本人に確認を行うのでこの段階で不正が発覚するのでお客さんに被害がいくまでになるのがあまりないのです。

これをかいくぐる、悪質な方法があります。まず検収書は、リーチ契約書と筆跡がおかしいと突っ込まれますが余にも違うだろうという時以外はほぼスルーで通っていきます。なので契約書の段階から100均やホームセンターで手に入れたハンコを使って契約書を使っていれば、検収書も作成することができ、納品をせずとも契約を完成させることができます。

次に、リース会社の電話確認ですが、これも契約書の連絡先に自分の電話番号にしておいて成り済ませば良いだけなのでバレる事はありません。高額リースであると面談があるためこれは使えません。

しかし、最終段階お客さんの口座から引き落としが始まります。よっぽどお金に無頓着の人でない限りここでバレます。

こんな事、普通の思考なら分かるはずなのに数字のプレッシャーで感覚がおかしくなってしまった営業マンがこの手に走り、不正が発覚しクビになっていました。

首の理由は、商品をネット販売しお金を横領したという事です。

いやいや、お客に対しての問題はええんかいとツッコミをいれたくなります。

2.不正事例:お客さんから廃棄処分費を貰った商品を中古として販売

まず弊社のモットーとしては、商品の更新期間をいかに短くするかという風でした。

通常使っていたら、10年は普通に使える商品でも4年から5年以内に更新させるように半ば強引な営業方法を行っていました。

短いサイクルで更新をさせると会社にとって2つのメリットがあります。

1.更新サイクルが短くなると1件当たりの生涯販売台数を増やすことができるので将来的に売上を稼げます。

2.入れ替える機械も年数が若く中古として販売するにしてもある程度の値段をつけることができる。

ここからが問題なのですが、この商品、お客さんには廃棄にリサイクルするための商品を分解して素材ごとに分けなければならないから、廃棄処分費用は高くつくと言って費用を請求します。

実際は、商品は業者が取りに来るのですが、届け先は廃棄処分工場ではなく弊社倉庫なのです。

ここで、保管し中古商品として販売を行います。

言うなれば、商品の仕入れはお客持ちなので、完全に丸々利益になります。

弊社のやらしい点が、確認書というものを作成し、引き上げる商品の所有権は弊社に移りその後に返却や異議申し立てしませんという誓約書をお客さんに書かせます。

お客さんは、処分の為の誓約書だと思っていますが、実際は中古の横流しがバレた時の対策だろうと思いますね。

3.不正事例:納品していない商品を勝手に検収

まず契約から完了までの流れとしては、契約書→納品→検収という形になります。

検収ということは、納品も完了し契約が完了という事を確認しましたというイメージです。

なので、リース契約も検収後正式に契約がスタートします。

なぜ?納品をする前に検収をしようとするのでしょうか?

それは、会社では月々のノルマがあります、しかし月末になると搬入業者が空いていなかったりお客さんの都合が合わず納品が翌月になる可能性があります。普通の会社なら当月のノルマを諦めて翌月の見込みの売上残として計上するかもしれませんが、ブラック企業では搬入業者が空いていないお客さんの都合が合わないなんて理屈は通りません。

なので、業者が空いていなかったら自分で納品を行ったり無理にお客さんに予定を開けてもらうなど強引にでも交渉しようとします。

それでも、どうしても納品ができない場合もあります。

その時は、違法ですがお客さんに検収書だけ先に頂いて翌月に納品ではあるが当月に納品をしたかのようにし会社での売り上げをたてます。

お客さん自体が検収書の意味を分かっていない人が多いので、サインだけならと検収書をいただけることも多いです。

しかし、中には検収書も取れない場合があります。

その際は、ブラック営業マンはホームセンターでハンコを用意し契約書に判を押し筆跡を似せて検収書を作成し売上計上を行い、業者にも工事を行ったと報告してもらい後日正規の日付に工事を行いその時お客さんから取得した検収書は破棄をし証拠が残らないようにしている社員もいました。

現金の契約であれば、検収書もどんなハンコでも通りますがリース契約になるとリース会社が契約時の判と同じか確認するため上記の方法は使えません。

どうせ、購入するものだから別に勝手に検収されていても契約のスタートが変わるだけで、契約書記入した時点が契約成立だと思っていたからそんなこと気にしないと思うかもしれませんがとても危険です。

検収を行ったといことは、先ほども申しましたとおり納品が完了したのを確認しました、ということなのです。言うなれば検収さえ終わっていたら納品が実際にされていなくても文句を言いにくくなります。

また、実際にあった事例でいうと商品の納品時に商品の大きさが多く指定の場所に入らないということや納品をする商品自体が違っていたといこともありました。しかし、検収自体は終っているために契約上追加料金を払って商品を交換した人もいました。

実際は営業マンが悪いのでそのまま別の商品に変えることも可能ですが、自分も悪かったと諦めるお客さん在庫を戻すからには売上を上げようするブラック営業マンの関係正常上記になるパターンが多かったです。

なので、例え営業マンがどうしても検収を先にさせてくれと言われても絶対に判を押さないでください。あなただけがリスクを負うことになります。

4.不正事例:協力業者に存在しない架空工事の発注

協力業者に存在しない架空工事の発注と聞くと、ぼったくられてる最悪だと思うかもしれません。

しかし、この架空工事でお客さんが追加で請求されているということはありません。元々お客さんに提示する見積りの基本工事料や引上げ費用などは基本固定で決まっております。

まぁその工事費用自体が実際は仕入れに利益を乗せているのでぼったくりと言えばぼったくりですが、普通の会社でも利益を乗せてますしそれが営利企業というものなので別に問題もありません。

今回の架空工事は、実際に会社に入る利益を削り工事業者に資金を流すというものでした。

なぜこのような事が行われるのか複数パターンがあります。

  1. 者の経営状況を助けるパターン
  2. 業者と結託し、お金を流してキックバックをもらうパターン
  3. 業者に突然発生した工事費用のツケやノルマ達成のために商品を仮で購入してもらいその分を補填するパターン

架空工事が起こる理由1:業者の経営状況を助けるパターン

仕入れ値が極端に低すぎると、いずれ業者が経営できなくなって潰れてしまい会社としても損失してしまう。

そのため、仕入れ値架空工事で名目を作成し仕入れを行い業者にお金を回し経営状況を助けることがある。

特に、コロナの時期で仕事が少なくなる個人の業者なども多くありそういったときに上記のことが暗黙的に行われていた。

架空工事が起こる理由2:業者と結託し、お金を流してキックバックをもらうパターン

これは、業者と営業マンが仲良くなりすぎると起きることがあります。

業者に通常以上にお金を流すことで、一部を商品やお金をキックバックしてもらいます。

業者としても、数ある業者の中から自分を選んでほしいし利益は少しでも欲しいからたくさんお金を回してくる人間に持ち掛けることがあります。

ブラック企業の営業マン自身も給料が少なく会社にヘイトが溜まっており業者を利用し横領を行う人間いました。

これは、完全に業務上横領罪の犯罪行為になります。

架空工事が起こる理由3:業者に突然発生した工事費用のツケやノルマ達成のために商品を仮で購入してもらいその分を補填するパターン

これは、会社の数字のノルマのプレッシャーが強すぎると起こります。

先ほどまでは、完全に個人でやっているパターンでしたが、これは組織にやっていること多いです。

部署自体の売上が足らない場合、代理店という形で搬入業者に商品を購入してもらい売上ノルマを達成させ、後々売上た利益の一部を架空工事の発注を行い業者に商品代を返金する形です。

業者としては、リスクを持つことになりますが、組織的にやっているという点もありとりぱっぐれはないと信頼し引き受けているところもあります。

しかし、問題は売上が達成できたということは来期の計画が上がるということです。少しずつ計画(ノルマ)が上がるのでいずれはパンクし業者に対しての借金が返せなくなるのです。

それを考えずに目先の数字だけで、未来に自分たちの首を絞めているという事から目を背けています。

このパターンで自分たちを信じていた業者が潰れてしまったのを何社も見ました。コンプライアンスの遵守は自分たちも関係する人たちも守るためには必要ですね。

5.不正事例:ペーパーカンパニーを作って横領

一番悪いと思うのが、このペーパーカンパニーを作って横領するパターンですね。

これも、実際あった事例で何人かの社員が親戚などの名前を使い複数社作っており。

その業務実績が無い会社に架空の工事を起こすことで何もしなくても会社にお金が流れることで自分たちの利益にしていました。

取引業者について調べない小さい企業や審査部門が機能していない会社ではこういったことが起こりうるのです。

これに関わった社員は勿論クビになりました。

理由としては、会社の給料が低く生活ができなかった、でした。ブラック企業は仕事がきついのにまともに給料がでません。残業は無限にあっても残業代もでません。

こういった点も、人間をここまでさせてしまうのです。

まとめ

ブラック企業だから架空工事があるというわけではなく、

実際は、小さい業者との取引の際は貸し借りなどはどの会社でもあると思います。

現場は何があるかわかりません。想定外の事が起こりうる事もたくさんあります。

業者は、その時も貸し借りで助けてくれます。信頼関係で仕事をしてくれます。

しかし、コンプライアンスが厳しくなってきた現代では、なかなか追加工事として認められない会社もあったりします。

そういった現場と会社の考えが乖離してしまっている会社ほど追い込まれた営業マンが貸しを返すために行うことになります。

会社は一切手を汚さず責任を営業マン個人になすりつけようとします。

これが、俗に言う「現場の状況が把握できておりませんでした、再発防止につなげます」という、形だけの記者会見につながるのです。

本当に、架空工事を防ごうと思うのであれば、

  • 協力業者をしっかりと審査を行い業者情報を確認したうえで取引するか決める。
  • 似たような商品の納品で、平均より金額が高くないか?1社員の仕入れ請求額が平均より高くなっていないかをチェック(平均より高い場合は架空工事を起こしキックバックを貰っている可能性が高い)
  • 基本工事以外の工事がある現場をランダムで挨拶もかねて、現場に実際に確認をしに行く。

会社として、上記の対応をするだけで現場の不正を防ぐことができます。

一番大切なことは、職場環境の改善と待遇改善ですよね。そこに、問題がなければ不正に手を出す社員も少なります。

ただの形上のコンプライアンス検収なんて根本的な問題の解決にはなりません。