休職の取り方|診断書の手順・傷病手当金・会社への伝え方を在職中目線で解説

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この記事は、こんなあなたに向けて書きました

職場のストレスやプレッシャーで心と体が限界に近づいているのに、「休職なんて自分には関係ない」「どうやって休めばいいのか分からない」と立ち止まったまま、毎朝出勤し続けているあなたへ。

実際に、休職の取り方が分からなくて、動き出せずにいる人は少なくありません。とはいえ、実際の休職の取り方は「診断書を用意して会社に申し出る」だけです。つまり、今日受診すれば、最短で数日以内に休職に入ることも可能です。

しかも、休職中は傷病手当金という制度があるため、給与の約3分の2を最長1年6か月受け取り続けられます。つまり、お金の心配をしながら無理に働き続ける必要はありません。

📌 この記事で分かること

  • 休職の取り方(受診から開始までのステップ別手順)
  • 診断書のもらい方・費用・書いてもらう内容
  • 傷病手当金の金額計算と申請方法
  • 会社への伝え方と、休職させてくれない場合の対処法
  • 在職中に動けるチェックリスト

休職は「逃げ」ではない|取る権利があります

たしかに、「休職なんて甘えじゃないか」「自分だけ休んで申し訳ない」という気持ちを持っている人が多いのですが、それは違います。そもそも、休職は法律・会社の就業規則で認められた制度です。したがって、休職の取り方を知り、使うことは労働者として当然の権利です。

とくにうつ病や適応障害、過労状態での休職の取り方については、厚生労働省も「療養に必要な休暇を取得することは労働者の権利」と明示しています。したがって、「休みたいけど無理」ではなく、「休む権利があるのに使えていない状態」なのです。

また、会社が社員の健康管理を怠った場合は、労働安全衛生法(e-Gov法令検索)に基づく安全配慮義務違反として、損害賠償を問われる可能性もあります。つまり、法律は労働者の側を守る構造になっています。

休職を取りやすい主な理由

  • 医師が「労務不能」と判断すれば、会社は拒否しにくい
  • 休職中は社会保険が継続されるため、健康保険・年金は維持できる
  • 傷病手当金で生活費の約3分の2を賄える

また、仮に会社が「忙しいから休まれると困る」と言ってきたとしても、医師の診断書が出ている以上、就労を強制することは違法になる可能性があります。

▶ 職場でうつ・適応障害のサインに気づいたら|今日から動く手順

休職の取り方|5つのステップ

休職の取り方は、大きく分けて5つのステップで進みます。とくに難しい手続きはなく、まず受診するところから始まります。以下の手順を参考にしながら、一つひとつ進めてみてください。

ステップ① 心療内科・精神科を受診する

まず、心療内科または精神科を受診してください。しかし、「病院に行くほどじゃないかも」と思いがちですが、眠れない・食欲がない・気力がわかないといった状態が2週間以上続いているなら、受診のサインです。実際に、休職の取り方はこのステップが起点になるため、早めに動くほど回復にかかる時間が短くなります。さらに、予約なしで当日診てもらえるクリニックも増えているため、今日すぐ探してみてください。

ステップ② 診断書を受け取る

医師に「休職のための診断書を発行してほしい」と明確に会えましょう。診断書には病名・休職期間の目安・労務不能であることが記載されます。なお、初診当日に発行してもらえる場合もありますが、通常は1〜2週間かかります。費用は2,000〜10,000円程度です。

就業規則の確認と会社への申し出

ステップ③ 就業規則で休職条件を確認する

そもそも、会社の就業規則には、休職できる期間・条件・給与の扱いが記載されています。もし手元にない場合は、人事部に「就業規則を確認したい」と伝えれば入手できます。具体的には、「休職可能期間」「休職中の給与の有無」「復職条件」を確認しておくと安心です。

ステップ④ 上司または人事部に申し出る

診断書を持って、直属の上司か人事部に「休職を希望している」と伝えます。このとき、とくに原因や経緯を詳細に説明する必要はありません。「医師から療養が必要と診断されました」という一言と診断書の提出で十分です。たとえ引き止められても、診断書がある以上、会社は拒否しにくい状況です。

ステップ⑤ 傷病手当金の申請手続きを開始する

休職が始まったら、できるだけ早く傷病手当金の申請準備を進めましょう。申請書は加入している健康保険組合(協会けんぽ等)から取り寄せます。一般的には、1か月単位で申請するのが通例で、会社・医師・自分の三者それぞれが記入する欄があります。なお、休職の取り方と同様に傷病手当金の申請も難しくはありませんが、初回の入金まで1〜2か月かかるため、早めに動くことをおすすめします。

▶ 退職後の健康保険|任意継続と国保を比較・軽減制度の活用法

診断書の取り方と費用|よくある疑問を解消する

休職の取り方で最初のハードルになりやすいのが、診断書の取得です。「何を伝えればいいのか」「お金はどのくらいかかるのか」「どのくらい日数がかかるのか」など、初めての人には分からないことだらけです。そこで、以下でまとめて確認しておきましょう。

医師への伝え方

診察室では、症状を正直に話すことが大切です。たとえば、「眠れない日が続いている」「仕事のことを考えると動悸がする」「職場に行く気力がまったく出ない」といった具合に、日常の変化を具体的に伝えましょう。

そのうえで、「仕事を休職したいので、診断書を書いてもらえますか」と直接お願いしてください。遠慮する必要はありません。なぜなら、休職に必要な診断書の発行は医師の業務として認められているため、正当な依頼です。

診断書に書いてもらうべき内容

項目 内容
病名 うつ病、適応障害、自律神経失調症などが代表的。医師が判断する
労務不能の旨 「○○の理由により、就労不能と認める」という記載
休職期間の目安 「〇か月の療養を要する」という期間の記載
発行日・医師の署名 会社への提出に必須。病院名・医師名の記載があること

ただし、会社が「指定様式」の診断書を求める場合があります。そのときは書式を医師に渡して記入してもらえば大丈夫です。

費用の目安

診断書の発行費用は病院によって異なりますが、2,000〜10,000円程度が相場です。特に、自費診療のクリニックでは高めになるため、事前に確認しておくと安心です。なお、傷病手当金の申請に必要な医師の証明欄(申請書への記入)は、別途費用がかかることもあります。

傷病手当金|休職中のお金はこうなる

休職の取り方を調べているなら、お金の心配は避けて通れません。しかし、実は、傷病手当金という制度を使えば、休職中でも一定の生活費を確保できます。

傷病手当金とは?

傷病手当金の基本

  • 健康保険の被保険者(会社員・パートなど)が対象
  • 業務外の病気・ケガで働けなくなったときに支給される
  • 1日あたりの支給額=直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3
  • 支給開始日から最長1年6か月まで受け取り可能
  • 月給30万円なら、月あたり約20万円が目安

つまり、給与の約3分の2は休職中も入ってくる計算です。加えて、会社によっては休職中も一定期間は給与を支給する場合もあります。したがって、いきなり収入ゼロになるわけではありません。

申請の流れ

申請書は、加入している健康保険組合(協会けんぽ等)の公式サイトからダウンロードできます。具体的には、申請書は3つの記入欄に分かれており、それぞれ自分・会社・担当医師が記入します。

記入欄 誰が記入する? 主な内容
被保険者記入欄 自分(申請者) 氏名・振込先・休業期間など
事業主証明欄 会社(人事担当者) 休業中の給与支払い状況・出勤状況
療養担当者記入欄 担当医師 労務不能期間・傷病名

その後、申請書をまとめたら、健康保険組合に郵送します。受付から支給まで10営業日程度かかります。

▶ 傷病手当金の詳細は協会けんぽ公式ページで確認できます

なお、退職後でも一定条件を満たせば傷病手当金を継続受給できます。したがって、休職中に退職せざるを得なくなった場合も、受給資格が失われるわけではありません。

▶ うつで退職した後の生活費|傷病手当金・失業保険・生活保護の受給手順

ブラック企業が休職させてくれない場合の対処法

残念ながら、「忙しいから困る」「お前だけ特別扱いできない」などと言って、休職を認めようとしない会社も存在します。しかし、そういった対応には、実際に明確な違法性がある場合があります。

「休職させない」は違法になる可能性がある

医師が「労務不能」と診断し、診断書を提出した状態で就労を強制することは、労働安全衛生法上の安全配慮義務違反にあたる可能性があります。また、会社の就業規則に休職制度が定められている場合、それを理由なく拒否することも問題になりえます。

⚠️ 以下のことを言われたら要注意

  • 「今は繁忙期だから後にしてほしい」
  • 「みんな辛いんだから、特別扱いはできない」
  • 「休職するなら退職してもらうことになる」
  • 「休職の規定はうちにはない」

具体的な対処の手順

まず、会社の対応(日時・発言内容)を記録しておきましょう。具体的には、会話をスマホで録音したり、メールで「休職希望を申し出たが断られた」という事実を残したりすることが有効です。

そのうえで、社内での解決が難しいと感じたら、外部の相談窓口に頼ることも選択肢です。たとえば、労働基準監督署(労基署)への相談や、都道府県の労働局に設置された「総合労働相談コーナー」への申告が使えます。

▶ 労基署への通報方法|在職中バレない手順と証拠の準備

あわせて、体調不良で休めないという状況がどれほど深刻かを把握するためにも、以下の記事が参考になります。

▶ 体調不良で休めないブラック企業|今日すぐ休む手順と出勤強要への対処法

休職に入る前に確認しておくべきチェックリスト

休職の取り方が分かっても、「やることが多くて不安」と感じる人もいます。そのため、そのため、行動に移す前に下記のリストで確認しておくと、スムーズに休職に入れます。

  • □ 心療内科・精神科の受診予約を取った
  • □ 診断書の発行を医師にお願いした
  • □ 会社の就業規則で休職条件(期間・給与)を確認した
  • □ 上司または人事部に休職の申し出をした(または準備中)
  • □ 傷病手当金の申請書を取り寄せた
  • □ 休職中の社会保険料の支払い方法を確認した
  • □ 休職中の連絡窓口(人事担当者名)を確認した

なお、休職中の社会保険料(健康保険・厚生年金)は自己負担分を自分で支払う必要があります。会社が立て替えている場合は、後日まとめて精算が求められることもあるため、あらかじめ人事部に確認しておくと安心です。

▶ 有給休暇の基本|付与日数・取得条件・拒否された時の対応

よくある質問

休職と退職について

Q. 休職と退職、どちらを選ぶべきですか?

結論から言えば、まず休職を優先することをおすすめします。なぜなら、休職中は在籍したまま回復に専念でき、傷病手当金が受け取れるからです。退職してしまうと、傷病手当金の受給資格を失う可能性があります。また、退職後は「次の転職先が見つかるまでの空白期間」への不安も生じやすくなります。回復してから改めて転職を考える選択肢を残すためにも、まず休職を使ってください。

Q. 休職の期間はどのくらいが一般的ですか?

一般的に、会社の規定によりますが、多くの場合3か月〜1年程度が一般的です。ただし、傷病手当金は1年6か月まで受け取れるため、回復に必要な期間はしっかり確保できます。そのため、主治医と相談しながら、焦らず療養することが大切です。

手続き・お金について

Q. 傷病手当金はいつから支給されますか?

連続して3日間仕事を休んだ後(待機期間)、4日目から支給対象になります。したがって、受診した翌日から数えて3日間は待機期間として扱われ、4日目以降の休業分が支給されます。申請から実際の入金まで1〜2か月かかるため、生活費の蓄えを確認しておくと安心です。

Q. 休職中でもストレスチェックの受検は必要ですか?

原則として、休職中はストレスチェックの受検義務はありません。ただし、職場復帰の際に会社から受検を求められる場合があります。なお、ストレスチェックの結果が会社に伝わる範囲については、個人情報保護の観点から一定のルールがあります。気になる方は以下の記事で詳しく解説しています。

▶ ストレスチェックの結果は会社にバレる?法的根拠と活用手順

Q. 休職中に会社からの連絡はどう対応すればいいですか?

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まず、療養に専念することが最優先です。会社から業務上の連絡が頻繁に来る場合は、「主治医から連絡を控えるよう言われている」と伝えて構いません。それでもどうしても対応が必要な場合は、家族や信頼できる人に間に入ってもらうことも選択肢のひとつです。

相談できる窓口

最後に、一人で抱え込まないために、休職や労働環境について相談できる窓口を紹介します。

  • □ こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(都道府県の精神保健福祉センターにつながる)
  • □ 労働基準監督署:0570-010-811(労働条件相談ほっとライン)(長時間労働・残業代などの相談)
  • □ 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局に設置。休職を拒否された場合など)
  • □ 厚生労働省「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス相談窓口)

✅ この記事のまとめ

  • 休職の取り方は、心療内科を受診して診断書をもらい、会社に申し出るだけ
  • 傷病手当金で給与の約3分の2が最長1年6か月支給される
  • 医師の診断書が出た状態での就労強制は、会社側の安全配慮義務違反になり得る
  • ブラック企業が休職を拒否した場合は、労基署や労働局への相談が有効
  • まず休職を取り、回復してから転職・退職を判断するのが正しい順序

だからこそ、心と体が限界に近づいているなら、今すぐ動いてください。休職の取り方はこの記事で紹介した通り、思ったよりシンプルです。つまり、お金の心配をしながら無理に働き続ける必要はありません。実際に、診断書1枚で、状況は変わります。休職の取り方を知っているかどうかで、人生の分かれ目になることもあります。

なお、一方で、休職ではなく退職を検討している方は、以下の記事も参考にしてください。

▶ 退職後の手続き完全ガイド|健康保険・年金・失業保険を最短で終わらせる手順