賞与を支払われない・カットされた|在職中の請求手順

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この記事は、こんなあなたに向けて書きました

急にボーナスが払われなかった、大幅に減額された——何も説明がない。これは違法なのか、請求できるのか、どう動けばいいのか分からない。

ボーナスが突然払われなかった——そのショックと怒りは当然です。しかし、賞与は法律上「必ず支払う義務がない」という仕組みになっており、対処するには就業規則の確認が鍵になります。この記事では、賞与の不払い・大幅カットが違法になるケースのチェックリストと、在職中に今日から動ける請求手順を解説します。

📌 この記事で分かること

  • 賞与が支払われなくても違法にならない場合・違法になる場合
  • 就業規則のどこを見れば請求できるか判断できるか
  • ブラック企業が賞与をカットする5つの手口
  • 在職中に証拠を集めて差額を請求する実践手順
  • 退職前後の賞与の扱いと「支給日在籍要件」の落とし穴

賞与は「必ず払わなくていい」——まず法律の基本を整理する

まず、労働基準法上、賞与(ボーナス)の支払い義務を定めた規定はありません。そのため、原則として企業が賞与を支払うかどうかは任意です。ただし、「だから何でもOK」というわけではありません。就業規則・賃金規程・雇用契約書の内容次第で、支払い義務が発生します。

支払い義務が発生するかどうかのポイント

就業規則・契約書の内容 支払い義務
「賞与は支給しない」または賞与の規定が一切ない 支払い義務なし
「業績に応じて支給する。ただし業績悪化時は不支給あり」と規定あり 条件付きで支払い義務あり(業績悪化なら免除)
「○月に基本給×か月分を支給する」と定額で明記 支払い義務あり。一方的カットは違法の可能性大
規定はないが長年同額を支払い続けている(労使慣行) 慣行が成立していれば義務あり(立証が難しい場合もある)

つまり、最初に確認すべきは「就業規則・賃金規程・雇用契約書」の3点です。なお、賃金に関する法律の詳細はe-Gov法令検索(労働基準法)で確認できます。したがって、これらに賞与の支給基準が明記されているなら、その基準に従って支払う義務が発生します。なぜなら、明記された内容は労働契約の一部となるからです。

📌 確認のポイント

就業規則は会社に請求すれば閲覧・コピーを求めることができます。また、求人票や内定通知書に「賞与あり・年2回」「基本給×か月」などの記載があった場合、それも証拠になります。まず手元にある書類をすべて確認してください。

賞与の不払い・大幅カットが違法になるケース

以下の項目に当てはまる場合、賞与の不払い・カットが違法になる可能性があります。あなたの状況と照らし合わせてみてください。

違法になりやすいケースのチェックリスト

  • 就業規則・賃金規程に支給額・支給月が明記されているのに払われなかった——定額の支払い義務があるため、一方的カットは契約違反になります。
  • 求人票・内定通知書に「賞与あり」「年〇か月分」と記載があったのに払われなかった——職業安定法65条の虚偽広告として問題になる場合があります。
  • 有給休暇を取ったことを理由に減額・不支給にされた——有給は労働日として扱われるため、取得を理由とした不利益は違法です。
  • 産休・育休を取ったことが原因でゼロにされた——育児・介護休業法により、取得を理由とした不利益取扱いは禁止されています。
  • 自分だけが減額・不支給で、他の同僚には支給されている——特定の従業員への差別的カットは裁量権の濫用として違法になる可能性があります。
  • 退職の意思を伝えた直後に突然カットされた——退職は労働者の権利であり、それを理由とした不利益は違法になる場合があります。

違法になりにくいケース

  • 就業規則に「業績悪化時は不支給あり」と明記されており、実際に業績が悪化している
  • 評価制度に基づく変動支給の結果として減額された(評価プロセスに問題がない場合)
  • そもそも就業規則に賞与の規定がなく、過去にも不定期にしか支払われていない

ただし、ただし、「業績悪化」を理由にしながら実際には業績が悪化していない場合、または会社が虚偽の説明をしている場合は、違法と判断される余地があります。そのため、会社の業績状況を確認しておくことも重要です。

▶ 給与カット・勝手に給料を下げられた|違法チェックと在職中に差額を取り戻す手順

ブラック企業が賞与を悪用する5つの手口

ブラック企業は、賞与の制度的曖昧さを意図的に悪用します。具体的には、次のようなパターンが代表的です。

悪用パターンと見抜き方

手口① 求人票には「賞与あり・年2回」と書いて実際は支払わない

求人広告で「賞与あり」と明記しながら、実際の支給基準を曖昧にして入社後に払わないパターンです。なぜなら、求人票の記載は会社への信頼の根拠になり得るからです。求人票はスクリーンショットを保存しておきましょう。

手口② 理由もなく毎年少しずつ減額し続ける

「会社の業績が…」と曖昧な理由をつけて毎年少しずつ下げていく手口です。また、また、合理的な業績説明がないまま減額が続く場合は、契約違反や裁量権の濫用に当たる可能性があります。具体的には、減額の都度、その理由と金額を記録しておくことが重要です。

権利行使・退職への報復パターン

手口③ 有給取得・育休・産休を「欠勤」扱いにしてカットする

有給休暇を欠勤と同様に賞与算定から差し引く手口です。しかし、なぜなら、有給は労働基準法39条の権利であり、取得日は労働日として扱われます。したがって、有給取得を理由にした賞与カットは違法になる可能性があります。

⚠️ 手口④ 退職を申し出た途端にゼロにして嫌がらせする

退職の意思を示した直後に「今期の評価が悪かったので」などと後付けの理由でカットするパターンです。さらに、「支給日まで在籍しないから」という理由で支給日直前の退職者には払わないケースもあります。ただし、支給日在籍要件が就業規則に明記されていない場合は、支給義務が生じる可能性があります。

⚠️ 手口⑤ 労基署への通報・パワハラ申告の報復としてカットする

権利行使(有給申請・残業代請求・労基署通報など)をした後に賞与をカットする報復行為です。つまり、これは法的に認められる権利行使を妨害する行為であり、違法と判断される可能性が高いです。そのため、権利行使の前後の賞与額の変化を記録しておくことが大切です。

あわせてこちらの記事も参考にしてみてください。

▶ ブラック企業での有給休暇の取り方|拒否された時の対処とエスカレーション手順

在職中に今日から動く手順——証拠収集と請求

賞与の不払い・カットが違法と判断される可能性がある場合、在職中に次の手順で動いてください。まず証拠を固め、それから請求するという流れが重要です。

ステップ①②:証拠を集める

行動① 就業規則・賃金規程・雇用契約書を手元にコピーする

まず、就業規則の賞与に関する条項を確認します。「賞与の支給基準」「支給月・支給額」「不支給になる条件」の3点を重点的に確認してください。また、就業規則の閲覧・コピーを拒否された場合は、労働基準監督署に申告できます。なぜなら、会社には就業規則の周知義務があるからです。

行動② 過去の賞与明細・支給額・支給日を記録する

また、過去3年分の賞与支給額と支給日を一覧にまとめます。給与明細のコピーや銀行口座の入金記録が証拠になります。加えて、同僚の支給状況(自分だけ減額されていないか)も把握しておくと、差別的取扱いの証拠になります。

ステップ③④:請求に向けて動く

行動③ 会社に理由の説明と書面での回答を求める

まず、会社に「今回の賞与不支給(または減額)の理由を書面でご説明ください」とメールや書面で申し入れます。そのため、口頭での説明だけでは記録が残らないため、書面での回答を求めることが重要です。なお、また、回答を拒否されたり、回答内容が就業規則と矛盾する場合は、次のステップに進む根拠になります。

行動④ 差額を内容証明郵便で請求する

就業規則・契約書に基づいて支払われるべき賞与額と実際の支給額の差額を計算し、内容証明郵便で請求します。具体的には「就業規則第〇条に基づき、△年△月分賞与として〇万円の支払いを求めます」という内容になります。内容証明郵便は証拠として残る上、会社に法的な意識を持たせる効果があります。

さらに、さらに、内容証明を送っても応じない場合は、労働基準監督署への申告、または労働審判・訴訟に進む選択肢があります。また、厚生労働省の総合労働相談コーナー(無料)でも相談できます。

▶ 残業代の未払いを取り戻す方法|計算・時効・請求手順まとめ

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▶ 給与明細がもらえない会社はブラック確定|在職中に動く手順と残業代を守る方法

退職前後の賞与と「支給日在籍要件」の落とし穴

退職を検討している方が特に注意すべきなのが「支給日在籍要件」です。これは、「賞与支給日当日に在籍している者だけに支給する」という就業規則の条項です。

支給日在籍要件の注意点

  • 就業規則に在籍要件が明記されている場合——支給日前に退職すると、査定期間中に働いていても支払われないことがあります。そのため、退職日を支給日後に設定する必要があります。
  • 就業規則に在籍要件の規定がない場合——支給日前に退職しても、働いた期間分の賞与を請求できる可能性があります。
  • 会社都合(整理解雇・解雇)で退職させられた場合——在籍要件が適用されないと判断されるケースがあり、賞与を請求できる場合があります。
  • 退職の意思表示後に支給日在籍要件を新設した場合——退職決定後に就業規則を変更することは不利益変更として無効になる可能性があります。

したがって、そのため、退職を検討している場合は、まず就業規則で支給日在籍要件の有無を確認し、賞与支給日との兼ね合いで退職日を決めることをおすすめします。

よくある質問

賞与の支払い・請求について

Q. 賞与の時効はありますか?

はい、あります。賞与も「賃金」に該当するため、未払い賃金の時効が適用されます。2020年4月以降は原則として時効が5年(当面3年)とされています。そのため、過去に支払われなかった賞与についても、時効内であれば請求できる可能性があります。ただし、時効の起算点は賞与の支給日です。

Q. 賞与の不払いを労基署に申告できますか?

就業規則に支払い義務が明記されているにもかかわらず払われない場合は、申告できます。ただし、就業規則に「支給しない場合あり」という条件が付いている場合は、監督署が介入しにくいことがあります。また、賞与問題は労働審判や訴訟で争うケースも多いため、弁護士への相談も同時に検討してください。

退職前後の賞与について

Q. ボーナスをもらってすぐに退職しても問題ありませんか?

法的には問題ありません。賞与は査定期間中の労働に対する対価であり、支給後に退職しても「詐欺」や「不正」にはなりません。ただし、就業規則に「支給後〇か月以内に退職した場合は返還する」という規定がある場合は注意が必要です。なぜなら、そのような規定が有効と判断される場合があるからです。

Q. 転職活動中であることが会社にバレてボーナスをカットされました。これは違法ですか?

転職活動や退職の意思を理由とした賞与カットは、違法になる可能性があります。具体的には、具体的には、カット前後の支給額・支給基準の変化、転職活動を告げた日時、カットの通知を受けた日時を記録しておきましょう。これらが因果関係の証拠になります。

まとめ

✅ この記事のまとめ

  • 賞与は法律上の支払い義務がないが、就業規則・契約書に明記があれば義務が発生します
  • 有給取得・産休育休・退職意思・権利行使を理由にしたカットは違法になる可能性があります
  • まず就業規則・賃金規程・求人票・雇用契約書を手元に集めることが最初の一手です
  • 書面で理由の説明を求め、回答が不十分なら内容証明郵便で差額を請求しましょう
  • 退職を検討している場合は、支給日在籍要件の有無を確認してから退職日を決めましょう
  • 時効は最長5年(当面3年)なので、過去の未払い分も含めて早めに動くことが重要です

つまり、賞与は毎月の給与と同様、あなたが働いた対価の一部です。そのため、「ボーナスは会社の善意」という言葉で諦めさせようとする会社に対して、まず就業規則を確認することから始めてください。今日できる一歩は、就業規則の賞与欄をコピーして手元に置くことです。

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著者

モブリーマン

生まれも育ちもブラック企業 アルバイトもブラックとブラックに愛され続けた人生 ブラック環境で働いた経験やブラック企業の見分け方について 紹介していきます

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