こんな悩みはありませんか?
- 「14連勤が禁止になる」「勤務間インターバルが義務化される」というニュースを見たが、もう施行されたのか分からない
- 今まさに2週間休みなしで働いている。改正を待たずに、今の法律で何か言えることはないのか
- 退勤から次の出勤まで8時間しかない日が続いていて、体がもたない
- 休みの日にも上司から連絡が来る。「つながらない権利」で断れるようになるのか知りたい
労働基準法は、約40年ぶりとなる大改正が検討されています。「14日以上の連続勤務の禁止」「勤務間インターバル11時間の義務化」「つながらない権利」など、働く人の生活に直結する内容が並びますが、2026年9月時点では法案は国会に提出されておらず、施行は早くても2027年4月以降の見込みです。この記事では、労働基準法改正で何が検討されているのかを確定度別に整理したうえで、改正を待たずに「今の法律」で会社に主張できることをまとめました。
結論:改正はまだ先。ただし「今の法律」でも連勤・休日連絡には歯止めがある
- 14連勤禁止・インターバル11時間義務化などは労働政策審議会で審議中。法案未提出のため、2026年9月時点で効力はない
- 現行法でも、休日は週1日または4週4日が最低ライン。これを割る連勤は今すぐ違法
- 休日の業務連絡に応じた時間は、現行法でも労働時間。休日労働の割増賃金(35%)を請求できる
- 施行までの間は、連勤の記録と休日連絡の記録を残しておくことが、改正後にも効く準備になる
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
労働基準法改正の現在地|2026年9月時点で確定していること
まず、いちばん大事な「いつから」を整理します。2025年1月に厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」が報告書を公表し、その後、労働政策審議会で審議が続いています。もともとは2025年末〜2026年の通常国会への法案提出が見込まれていましたが、提出は見送られ、現在も審議中です。したがって、ニュースで見た「14連勤禁止」はまだ法律になっていません。
| 項目 | 状況(2026年9月時点) |
|---|---|
| 法案の国会提出 | 未提出(労働政策審議会で審議中) |
| 成立・公布 | 未定 |
| 施行時期 | 2027年4月以降の見込み(確定していない) |
| 一次情報 | 厚生労働省「労働基準関係法制研究会報告書」(2025年1月)と労働政策審議会労働条件分科会の資料 |
出典: 厚生労働省 労働基準関係法制研究会報告書・労働政策審議会労働条件分科会資料(2026年9月6日時点)
注意
「2026年から14連勤が禁止」と断定している記事や動画がありますが、2026年9月時点では誤りです。改正内容も施行時期も審議の中で変わる可能性があるため、この記事は法案提出・成立のたびに更新します。
改正で検討されている主な内容
次に、研究会報告書と審議会で検討されている項目を、「方向性が固まっているもの」と「議論が続いているもの」に分けて整理します。
方向性が固まっている項目
| 項目 | 検討されている内容 | 働く人への影響 |
|---|---|---|
| 14日以上の連続勤務の禁止 | 現行の「4週4日の休日」を原則「2週2日」に改め、13日を超える連続勤務を禁止する方向 | 変形休日制を使った長期連勤に歯止めがかかる |
| 勤務間インターバルの義務化 | 現行は努力義務。原則11時間の休息を義務づける方向(一定の例外あり) | 終電で帰って始発で出社、のような働き方が違法になる |
| 法定休日の事前特定 | 就業規則などでどの日が法定休日かをあらかじめ特定することを義務化 | 「後から都合のいい日を休日扱いにする」運用ができなくなる |
| つながらない権利 | 勤務時間外の業務連絡を制限するためのガイドラインの策定(法律上の権利化ではなく、まずは指針) | 休日連絡のルール化を会社に求める根拠になる |
議論が続いている項目
- 副業・兼業の労働時間通算:本業と副業の労働時間を通算して残業代を計算する現行ルールの見直し(通算対象を健康管理に限定する案)
- 年次有給休暇の賃金:有給取得日の賃金を「通常の賃金」方式に統一する案
- 週44時間の特例の廃止:常時10人未満の商業・サービス業などに認められている特例の見直し
- 裁量労働制・管理監督者の要件:適用範囲の明確化
つまり、確度が高いのは「連勤の上限」「インターバル」「休日の特定」の3つです。この3つは、いずれもブラック企業が長時間労働を合法に見せかけるために使ってきた仕組みを塞ぐものです。だからこそ、施行前から自分の勤務実態を記録しておく価値があります。
改正を待たなくていい|「今の法律」で連勤・休日連絡に言えること
ここからが本題です。改正はまだ先ですが、現行の労働基準法でも、連勤や休日連絡に対しては明確な歯止めがあります。実際に2週間休みなく働いている人は、次の3点を確認してください。
① 休日は「週1日」または「4週4日」が最低ライン(労働基準法35条)
まず、会社は少なくとも毎週1日の休日を与えなければなりません。例外として、就業規則に定めがある場合に限り「4週間を通じて4日以上」の変形休日制が認められます。したがって、変形休日制の定めがない会社で7日以上の連勤があれば、その時点で35条違反です。変形休日制がある場合でも、4週間に4日の休日がなければ違法で、理論上の最大連勤は48日ですが、これが今回の改正で「13日まで」に制限される見込みです。
② 休日に働いた分は35%増しの割増賃金(労働基準法37条)
また、法定休日に働かせるには、36協定の締結・届出が必要で、さらに35%以上の割増賃金を払わなければなりません。休日に上司からの連絡に対応した時間も、指揮命令下にあれば労働時間です。休日連絡の断り方と、対応した時間を残業代として請求する方法は、休日・深夜の仕事連絡を断る方法で具体的に書いています。
③ 残業の上限は月45時間・年360時間(労働基準法36条)
さらに、2019年の改正で時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間、特別な事情があっても月100時間未満・複数月平均80時間以内と、法律で罰則付きに定められています。連勤が続いて残業が月45時間を超えているなら、連勤そのものとは別に、この上限規制の違反も疑ってください。残業代の計算と請求は残業代の未払いを取り戻す方法を参照してください。
ポイント
勤務間インターバルは現行法では努力義務(労働時間等設定改善法2条)にとどまります。ただし、インターバルが短い勤務の記録は、深夜労働の割増賃金や安全配慮義務違反の主張につながるため、今のうちから残しておく価値があります。
広告・PR
退職の連絡や対応を相談したい方へ
退職に関するサービスを検討する場合は、依頼できる業務、本人が行うこと、料金総額、追加費用、対応開始までの流れを確認してください。
退職に関する相談・依頼条件を確認する相談と契約は別の手続きです。自分の状況を伝え、対応範囲を確認してから判断しましょう。
施行前にやっておくべき3つの準備
- 連勤・退勤時刻の記録を残す:シフト表の写真、タイムカード、勤怠アプリのスクリーンショット、退勤時のメール送信時刻など。改正後に「13日を超える連勤があった」「インターバルが11時間未満だった」を示す証拠になる
- 就業規則の休日規定を確認する:変形休日制の定めがあるか、法定休日がどの曜日かを確認。見せてもらえない場合は、それ自体が問題
- 休日連絡のログを保存する:チャットやメールの受信時刻と対応時間。つながらない権利のガイドラインができたときに、会社にルール化を求める材料になる
連勤や休日出勤を強要されている場合の断り方は、ブラック企業の休日出勤の断り方に例文をまとめています。現行法違反が明らかなときは、労基署への通報方法を参考に、在職中でも動けます。
まとめ|改正はまだ先。でも「今の法律」で止められる連勤はある
この記事のポイント
- 労働基準法改正は2026年9月時点で法案未提出・審議中。施行は2027年4月以降の見込みで未確定
- 検討の柱は14連勤禁止(13日超の連勤禁止)・勤務間インターバル11時間・法定休日の事前特定・つながらない権利のガイドライン
- 現行法でも休日は週1日または4週4日が最低ライン。休日労働は35%増し、残業は月45時間・年360時間が上限
- 改正前から連勤・退勤時刻・休日連絡の記録を残しておくと、施行後すぐに使える
- 記事は法案提出・成立・施行日確定のたびに更新する
要するに、「法律が変わるまで我慢する」必要はありません。今の連勤が現行法の線を越えているなら、それだけで十分に会社と交渉できる材料になります。
あわせて読みたい関連記事
参考: 厚生労働省「労働基準関係法制研究会報告書」(2025年1月・PDF)。本記事の内容は2026年9月6日時点の法令・公表資料に基づく一般的な情報です。個別の事案については、労働基準監督署や弁護士・社会保険労務士にご相談ください。